DiamondApricot 電話研究所・ストーカー概論

ストーカーに狙われたときの禁忌

― 事例から見た 被害者の過ち ―

(*恋愛ストーカー編*)

 

※芸能ストーカー編・職業妄想ストーカー編とは異なりますので注意してください

 

(1)誤ったストーカー像を持つな

「ストーカー」とは、誰かを しつこくつきまとい、あらゆる嫌がらせを 何の罪もない被害者に対して行う、というイメージがあります。

大枠として、それはウソでは ありません。

そのイメージは アメリカの女性記者・リンデン=グロスが アメリカ国内の事例をもとに広めたものであり、その著書「ストーカー」も 示唆に富んだ、優秀なレポートです。

このレポートをもとに、日本でもストーカーについてのドラマやドキュメントが組まれていますが、そのいずれも たいへん おもしろい。

しかしそのいずれも「おもしろい」だけで、視聴者にとっては、あまりメリットがない。

なぜか。

日本には「ゆがんだ愛を持ち」「恋愛に幼稚で」「陰湿な」「精神的気質に疑いを持つべき」「ストーカー」は、極めて少ないからです。

逆に そういった「病理学的に心を病んだストーカー」でなければ、日本国内の精神科医や心理学者の門をくぐることはないわけで、ストーカーの大多数を占める「けっして警察にも医者にも捕まらない確信的ストーカー」が、ドクターの視界に入ることは めったにありません。

欧米と日本の文化・社会構造が同じであれば、日本の「ストーカー」もまた 同じ行動様式をとるかもしれませんが、歴史も価値観も文化も異なる日本の社会では、「ストーカー」の成立過程も、そのきっかけも、また 犯罪手法も異なってしまうのです。

そういった異なる社会・文化のデータで「ストーカー特集」を組んでも、「ストーキング被害者」にとっては リアリティのカケラもないものになってしまいます。彼ら「日本のストーカー」の大半は、気質的な偏倚は ほとんどみられず、認知障害も まず確認できないという点で、欧米型ストーカーと大きく異なるからです。

よって、薄暗い部屋で エキセントリックな水彩画を見せて「これ なあに?」などと、やらかしても、ストーカーのなんたるかを知る事は 永遠にありません。

 

(2)ストーカーは 被害者が作る!

一部の「妄想ストーカー」を除き、国内のストーカーの大半は「人間関係のもつれ」から、ストーキングを開始します。

いえ、この言葉には語弊があります。

「人間関係がもつれて」「被害者とコンタクト(つながり)が とれなくなった時に」「無理にでもコンタクトをとろうとする行為が」「ストーキングと呼ばれる」と言った方が日本の実状に合っています。

よって、もともと「ストーカー」という人物は存在せず、何かのきっかけでコンタクトができない状況になり「ストーキングせざるをえなくなった人」のことを「ストーカー」と呼ぶべきでしょう。

さて この「ストーキングせざるをえなくなった人」つまり「ストーカー」が「無理にでもコンタクトをとって」 被害者に伝えたいことは、なんでしょう。

つまり、あなたが 最も悩むべき、あなたのストーカーが、あなたに伝えたい事です。

ここで 比較的 わかりやすいたとえをいたしましょう。

日本の社会で もっとも「ストーカー」に近い行動をする方々がいます。

たとえば、金融会社の「借金取り」が、それです。

彼ら「取立屋」は、支払いが少しでも遅れると、毎日のように自宅に電話をかけてきたり、勤務先に押しかけたり、市役所の住民台帳で転居先を追いかけたり、自宅の前で待ち伏せたり...と、外見上、ストーカーと見分けることは困難です。

いえ、職業ストーカーと呼んでもいいぐらいです。

彼ら「取立屋」が ターゲットに伝えたいことは、ただ一言、「金返せ!」。

彼らは その一言を 伝えたいがばかりに、日夜、病的とも言える行動をとるわけです。

もちろん お金を返せるなら、それにこしたことはありません。

しかし、お金がないなら、そんな彼らへの、対策も ただひとつ。

こちらから 毎日 彼らに電話をかけて、「今日も お金がありません」と 先に伝えることです。それを繰り返すことによって、彼らは ストーキングをやめ、紳士的な手段を検討するようになるのです。

もちろん、彼らは 精神病者ではありません。

実際のストーカー対策も、これと ほぼ同じです。

まず、ストーキングが行われた段階で、ストーカーは あなたに 何か伝えたいことがある、ということを、あなたは自覚せねばなりません。

恋愛のもつれによる、ストーキングなら「好きです」「一緒にいよう」といった類です。

もちろん 顔が見たい、抱きしめたいなど、実力行使的な目的が存在する場合もありますが、それが最優先事項であることは少なく、まずは「言葉の交渉」がねらいです。(実力行使が目的なら、ストーキングするまえに、とっくに行動に移しています)

被害者は、ストーキングがはじまった段階で、ストーカー自身に、ストーカーが被害者に伝えたいことを、確実に言わせなければなりません。

そして、かならず、被害者自身の口から、その答えを 「はっきりと・わかりやすい言葉で・誠意をもって」伝えなければなりません。

これは ストーカー対策と言うよりも、誠意ある人なら「当然の義務」と言えるものです。

ストーキングが 発生する原因は、そのいずれかの「当然の義務」を被害者自身が怠っている場合に発生する、と言っても過言ではありません。

たとえば、夜毎(よごと)、電話をかけてくるから、あなたは うっとうしくて 出ないようにした。

そういう事を する被害者は きまって「何度も断ってるのに、ちっとも聞かない」と言い訳をしたりします。

では、あなたに おうかがいします。

相手の気持ちを断るために、あなたの方から相手の自宅に電話したことは ありますか?

ストーカー自身は、一般的な理論に反して「自分の気持ちが一方的である」ことを よく理解しています。電話をかけるのは いつも自分の方からである、という事実も、相手のその寂しさを増長させているのです。

たとえ、あなたからの電話が「自分の希望に反する内容」であっても、あなたのその行動だけで、ストーカーの気持ちは ずいぶんと和らぐことを、あなたは知る必要があります。

「自分から電話したのに、被害は続いている」と言う人も たまにいます。

聞けば「迷惑だから電話しないで」などと言ったそうです。(どこの 誰なのでしょう。この言い回しを、自分に想いを募らせる人への 当然の常とう文句にして はやらせた日本人は。その人は、あなたの言葉が引き起こす、その後の結果に、けっして責任を負うことはありません。)

一生懸命 あなたに想いをよせて 努力している人に「迷惑」とは なにごとでしょうか。

そういう事を言う人は きまって「相手が 愛想をつかすようしむけている」などと言い訳します。

しかし、どう言い訳しようとも、その言葉は「攻撃」です。(もし あなたが その言葉のどこが攻撃か、と 考えるようでしたら、自分中心で考えるその性格が、相手にストーキングさせているのだと考えた方がよいでしょう)

ストーカーでなくても、その言葉によって、相手は 不必要に傷つきます。

それでは 誠意ある応対とは言えません。

そして、その場合「必要以上に傷つけられたんだから、攻撃してやる」などという 当然とも言える、大義名分を相手に与えてしまうことになります。

これが「ストーカー誕生」の瞬間です。

ストーキングというのは、あなたからの物理的または心理的攻撃を受けて後に、はじめて開始されるものだということを、肝に命じてください。

筆者は あなたの気持ちを 十分すぎるほど理解していますが、ウソでもいいから「私は あなたが嫌いになりつつあります。これ以上 あなたのことを嫌いにさせないでほしい」など、傷つけるにしても、攻撃性ではなく わびしさを生じさせるような言葉を使ってほしいものです。

また、電話番号を変更して 一方的にコンタクト不能にしたり、露骨に相手の目前で相手を避けるような行為は、相手をより致命的な精神に追い込むだけのことであり、そういった あなたの行為の結果が 相手を「ストーカー」に変えてゆくのです。

 

(3)ストーカー対策の基本

ストーカーの目的が「あなたに なんらかのメッセージを伝えること」が中心となっていることは、申し上げた通りです。

私は、イタズラ電話の犯人が、ストーカーであった場合にのみ、そのストーカーの氏名を 被害者に告知します。

よって、もし 個人で、ストーカー対策を行おうというのであれば、なるべく ストーカーにとって信頼のおける人(被害者にとってではない)が、メッセンジャーになり、ストーカーが被害者に伝えたいことを 代わって聞いてやることが、もっとも安全な方法となります。

そして そのメッセージの内容は確実に、被害者に伝わらなければなりません。

さらに 被害者は それに対して、手紙なり電話なりで 率直な返事を「被害者自身」がしなければなりません。

いろんな出来事が積み重なり、心情的に やりにくいことかもしれませんが、これにより ほとんどのストーキングが終わりを告げるのは、筆者自身が もっとも経験しています。

私が ストーカー対策として 最後に行う仕事も、実は この「メッセンジャー」になることなのです。

 

(4)面会謝絶は状況を悪化する

殺人・傷害事件に発展するストーキング類型で もっとも多いのが「他人が間に入って会わせないようにする」という事例です。

これには「電話を取り次がないようにする」というのも含まれます。

こういった事例は「親兄弟など 親類が、恋愛や結婚に反対している」などの時に、行われやすいようです。

さて、この場合「当事者同士が こっそり連絡をとりあえる状況」(面会謝絶が本人たちの意思に反している)であればよいのですが、これをきっかけに「別れよう」と思ったり、積極的に 自分で面会謝絶を行った場合、その相手は『なんとしてでも本人の意志を確かめたい』という衝動に追いつめられます。(あたりまえですね)

第1段階として、通勤通学ルートを待ち伏せる・本人が出るまで無言電話をかける・夜間 自宅周辺を徘徊して部屋の明かりを確認する、などのストーキングが この時点で始まります。

この段階から、そのような行動をする者を「ストーカー」と呼んでいいでしょう。

しかしこれは すべて 本人とのコンタクトをとることが目的のストーキングですから、注意してください

実は この「第1段階のストーキング」で どんな人でも、希望的妄想に取りつかれます。

『彼(彼女)は私のことを まだ好きかもしれない。親戚などの人目があるから、ああいう態度をとらざるをえないのかもしれない。』

そう考えます。

これは ストーカー特有のものでは ありません。 最初に、当事者同士の「はっきりとした別れ」がなければ、どんな人でも、こういう心理状態に陥ります。

ストーキングされる側の 曖昧な態度や 自然消滅的な離別への移行をねらったつきあい方をしていれば、その相手は まちがいなく こうなるものなのです。

さて。

この第1段階のストーキングで、第三者の妨害を乗り越えて、ストーカーが 被害者とコンタクトしたとき、被害者が どう応対するかで、次の段階に進みます。

つまり ストーカーが妄想したことが事実であれば、二人は これから建設的な努力をしてゆけばよいのです。

しかし、多くの場合、ストーカーの その希望は、無残に打ち砕かれます。

ここで やはり曖昧な断り方を 被害者がすれば、ストーキングは 永遠に続きます。

時間をかせぐ場合には、それもよいでしょう。

ですが、こと この段階にまでいたって、やっと、はっきりとした『断り文句』を ストーカーに投げつけたとしたら。

『あの親(第三者)が あることないこと吹き込んだから あいつの心が変えられてしまったんだ!

『あいつも、あいつだ。なんで、親(第三者)のいいなりになるんだ

こう考えるのも、当然です。

そして、これが ストーカーの妄想とは言い切れない面が、被害者の方にもなくはないでしょう。

二人の関係に(当事者の関係に)第三者が割り込みさえしなければ、ストーカーが こういう発想をすることは ありません。

最初に曖昧な別れ方をし、そして その後 第三者を介入させる、という自己中心的に自分を守ることしか考えない、道義的な間違いが、ストーカーを生むのだという事を、ここでも肝に銘じておくべきでしょう。

さて。これでストーカーが 泣き寝入りしてくれればよいのですが、怒りが 悲しみを上回っていた場合、ストーキングは 第2段階へ進みます。

つまり、これまで 当事者へのコンタクト(つながり)を目的としたストーキングだったものが、『第三者への報復』『当事者への復讐』などを目的に、財産や地位・こころなどをおびやかす「攻撃性ストーキング」に変化します。

第三者への報復、とは、親兄弟・親戚・友人など、当事者の別離に荷担したものに対して、仕返しをする意味合いで行われます。また、これは 当事者への協力をやめさせるための脅迫、および 以後 当事者の関係が改善したとき、二度と同じ事をさせないようにするための 威圧を含んでいる場合もあります。

一方、当事者への復讐、とは いわゆる「かわいさあまって憎さ百倍」という心理、つまり、自分の心を裏切った事に対しての「怒り」としてあらわれる 復讐行動、そのすべてを言います。

この段階で、被害者に対して、ストーカーの「メッセージ」に変化がみられます。

第三者への報復には、「なぜ邪魔をするんだ」「他人のあんたに私たちの関係がわかるわけないだろう」「もう邪魔をしないでくれ」「続けるならこうしてやる」という『疎外型・行動制限型のメッセージ』が含まれますから、その攻撃手法も、第三者の勤務先に集中的なイタズラ電話をかける・クルマのタイヤをパンクさせる・脅迫状を送り付ける・自宅に放火するなど、第三者の生活リズムを崩すことによって、当事者への協力を阻害させるような攻撃を仕掛けてくる傾向が見られます。

当事者への復讐には、「考え直してくれ」「そのために私はどうすればいいんだ」という『回顧型・問いかけ型のメッセージ』が含まれますから、その攻撃手法も、無言電話・動物の死体を送り付ける・自宅のドアにラクガキをするなど、様子や反応を見る(想像できる)ような攻撃を仕掛ける傾向があります。

これらストーカー行動は それが絶対というものではありませんが、被害者が ストーカーにとって 当事者なのか、第三者なのか、を判断する材料のひとつになります。

(ストーキングされたからといって、自分が当事者だとは 限りません)

さて、この段階で どんな被害者であろうと、たまらず なんらかの対策は打つでしょう。

電話番号を変える・警察に訴えでる・屈強な人物にボディガードを依頼する、などです。

それらの対策は、後にも述べますが すべて、「間違い」であり、ストーカーの執念をよりいっそう燃え上がらせるだけのことです。

ストーカーが 被害者に求めているのは、終始、「人間的な応対」です。

あなたは 誰かに声をかけたとき、その人が 眉をひそめて一蔑し、プイッとどこかに行ったとしたら、どう思いますか?

あなたは 誰かに物事を頼まれるとき、暴力団の事務所を使って要求されたら 尋常なこころでいられますか?

あなたは 誰かと話し合いに向かったのに、それを殴る蹴るの暴行で阻止されたら、あなたはそのことを許せますか?

電話の改番も、警察署の取調室も、ボディガードも ストーカーにとっては それらと同じ事です。

よしんば、刑事事件として立件し、ブタ箱や刑務所に叩き込もうと、そこから出てきた時は、あなたへの復讐心を最大限に膨らませ、あなたを亡き者にするよう努力するでしょう。

そういった 非人間的な扱いと、その環境を、ストーカーは あなたへの復讐を固く決意することによって、耐え抜こうとするからです。

ストーキングを開始する前から、非人間的な扱いを受けたからこそ ストーカーになり、ストーカーになってからも (ストーカーにとっては)卑怯な手法で、人間の尊厳を蹴り飛ばされたのですから、事態は悪化するよりしかたありません。

ですから、いかなることであろうと、ストーカーの人格を尊重しないやりかたは、あなたがどう考えようとも、やっては いけません。

あなたが 知らず知らずにやってきたことが、ストーカーのこころをいかに凶悪にしてきたか、いま一度 考えてみるべきでしょう。

もし、ここで 素人判断による安易な防衛攻撃がなされると、被害者とストーカーの際限ない おいかけっこが始まります。

これはストーカーにとっても被害者にとっても、疲労の激しい時期になります。

一般に ストーカーは 高度な情報力を、ストーキングの第1段階で習得します。

被害者の身辺関係・それに支援する者についての ありとあらゆること、ましてや当事者ですら知らなかったような事まで、ストーカーは よく調べ上げているものです。

しかし ストーカーは、もともと そんなノウハウを持っていたのではなく、一生懸命 努力することによって、その時 初めて身につけたストーカーが多い、ということを よく理解してください。

よって 普通の人が 誰かを調べたり、陥れたりするときと同じように、ストーキングというのは、時間も体力も金銭も消耗します。

ですから、ほとんどの場合、ストーカーの側から「休戦交渉」を申し入れに来ます。

その口上は「最後でいいから、もう一度 はなしをしたい」というものが多いようです。(ちなみに、被害者の多くは この申し入れを「復縁を求める話し合いを要求している」などと勘違いしています)

ただし その交渉は、時間も体力も金銭も 限界に近づいたことによるものですから、精神的には 非常に せっぱ詰まった状態であるということです。

こういう状態の交渉を 一般に「命をかけた話し合い」と言います。

もちろん、ストーカーの懐には ナイフや銃器など、凶器を忍ばせて 交渉に臨んでくるのはまちがいないと、考えるべきです。

この段階の ストーカーが求めているのは、もはや 被害者 ではありません

ただ、ひとつ、最期に 人間的な扱い、紳士的な応対を求め、自分のこれまでの 無意味な行動に終止符を打ちたいだけなのです。 それぐらい ストーカーは疲れています。

よって、交渉内容が どういう結論に持ち込まれようと、ストーカーは 自分が被害を与えた人に 人間的な扱いを受けるだけで、すべてのストーキングを反省し、そして すべてが解決の方向に向かうのです。

殺人・傷害事件に 発展するのは、そうとは知らず、今までどおり 非人間的な扱いを、この時 ストーカーに対して 行ってしまったときです。

話し合いに応じないのも、また 応じても罵詈雑言(ばりぞうごん)を浴びせるなどが、これにあたります。

このときの ストーカーは 命がけなのです。

死をも覚悟した人間は、いかなる刑事罰をも 恐れません。命をかけた人間に、いいかげんな応対が許されないのは このためです。

最期の話し合いの手段が断たれてしまうと、古来 平安の時代より 続いている「色恋による人情沙汰」になるのは 避けられません。

これが 冗談でないことは、ストーキングより発した殺人事件を傍聴した人の中に「私なら もっと早く殺してたかもしれない」と言っている人がいることからもあきらかです。

しかし、当事者である被害者は 悪いことをしているという実感は どの例もほとんどない、といわれています。

このことからも ストーキングの被害者自身が、あたりまえだと思って意識していないところに、実は加害者になっている側面がある、ということをあらわしています。

 

(5)電話番号を変更してはならない

現在の被害が、イタズラ電話だけだとしたら、電話番号の変更(改番と呼ぶ)は 非常に有効な手段です。

しかも 電話の名義を 友人や親戚の名前に変え、料金引落し口座の名義も 他人のものにし、ついでに 請求書の送り先も 実家や会社に変更し、留守電のメッセージまで変更すれば、いかに 強力な電話ハッカーと言えども、そう簡単にハッキングすることは できなくなります。

むしろ これを突破して 番号を突き止め、イタズラ電話をかけてくる場合、その方法は極めて限られており それを利用してワナを仕掛けることもできますから、そんなことをするマヌケなハッカーなら かんたんに捕まえることができます。

しかし、相手がハッカーでなく、ストーカーであるなら 話は別です。

ストーカーが 行う、イタズラ電話や ハッキングは、ある別の目的のために行っていることが多く、あくまで 何かの手段、と考えるべきです。

それは 在宅確認だったり、脅迫行為だったりしますが、なんにしても そのイタズラ電話自体が目的ではありません。

よって、ストーカーによるイタズラ電話を 改番して停止させると、ストーカー自身に もっと過激な選択をとらせてしまうことになりかねず、かえって やっかいな事態になることも少なくありません。

ですから、改番は できうる限り避け、どうしても という場合は もう1本、電話回線を契約するか、携帯電話を準備するべきでしょう。

さて、ここで ひとつ 安心していただきたいことがあります。

完全犯罪を考えた場合、電話を使った犯罪は、もっとも外道の手法です。

なぜなら、電話という機械は、どこの誰が 誰に電話をしようとも、確実に証拠が残るからです。

これは 基本的に電話をかけた人が 料金を支払う、というシステムで 電話が成り立っている以上、たとえ公衆電話や携帯電話でも 例外はありません。

もちろん 証拠を残さず 電話をかけることも 理論的に不可能ではありませんが、そうした手段を使えるのは 一部の限定された人物であり、かえって大きな証拠を残すことになるので、こちらにとっては 好都合です。

ハッカーやストーカーは そのシステムの盲点を利用しようとする性格から、システム(回線)的な視野で イタズラ電話をかけることになります。

しかし たった1回のイタズラ電話であっても、犯人が\10を落とした段階で、その記録は 確実に電話会社に残ることになります。

この事実を見落としがちなハッカーやストーカーは、極めて多いものです。

よって イタズラ電話撃退のプロは、そのイタズラ電話そのものよりも、犯人がどうして、どうやって どの場所からイタズラ電話をかけようと考えたのかを優先的に推理します。

しかも、ハッカーやストーカーは 相手が素人である、という条件で イタズラ電話をしかけてくるのですから、ある意味で なめきった心理を持っているとも言えます。

ですから、そういった油断から生じる ちょっとしたミスが 何本かのイタズラ電話に必ず混じっています。それを避けることは 事実上、不可能です。

そして そのミスの形態から、イタズラ電話撃退のプロは それまでのプロファイリングの結果と比較して、犯人を特定することができるのです。

ミスが目立たないイタズラ電話の場合は、さらに好都合で、こちらが ちょっとヘンな動きをしたり、ワザとミスを誘発させるようなトラップをしかければ、純度の高いイタズラ電話であるぶん、その動揺が イタズラ電話の形態に影響を与えますので、よくわかります。

そのためにも 電話番号は極力変更せず、犯人側に 証拠を積み上げさせた方がよいのです。

改番するときは 犯人を 動揺させ、いぶりだす時だけ、と考えましょう。しかし どうしても 遮断したい、急を要しておりなりふりかまっちゃいられない、など 緊急に電話遮断を行う場合は、このホームページの別項目「迷惑電話・概論」を参照して 慎重に行ってください。

 

(6)警察に訴えても解決の望みは薄い

警察署という場所は、原則的に 刑事事件を取り扱う「役所」です。

そこで働いている方々は、初歩的な格闘技と銃剣術を身につけているというだけで、あとは 市役所や郵便局の職員と 大差ありません。

よって、それぞれの相談は それぞれの窓口...と決まっています。

警察署の場合、落とし物なら拾得物係、猟銃の免許なら銃器課、風俗なら生活安全課などと決まっていますが、残念ながら「ストーカー対策課」という部署は 全国、どこの警察署にもないようです。
警察庁によれば、全国の所轄警察に「ストーカー対策係」が設置されていると言っておりますが...
私は これまで 数十人の被害者と共に、あらゆる警察署を訪れたり・問い合わせたりしましたが、いまだかつて、ただの1度も、そういった「ストーカー専門係」(専務係)に あたったことがありません。
さがせば あるには・あるのかもしれませんが、私のような専門スタッフが あたったことがないくらいですから、よほど数が少ないのでしょう。

そもそも、警察に相手にされなかった事実があるから、たったひとつの迷惑電話相談室に年間数百人の被害者が殺到するのです。

しいてあげれば、「生活安全課」が ストーカー事件における受付窓口にあたりますが、よほど 命の危険が迫っている状況でない限り、適当にあしらわれてしまう例が多いようです。

(調書を取らずに、大学ノートに連絡先をメモする程度で済まされてしまう)

それも そのはずで、ストーキングという行為は、「極めて刑事事件に近い民事事件」である事が多く、民事不介入の警察では、解決したくてもできないのが現状だからです。

実際、誰が誰に会おうと自由なのですから、どんなに しつこく つきまとっていたとしても、被害者の正面に立ちはだかって 通行を妨害しない限り、刑事事件になりません。

もし、したとしても、証拠はありませんし、写真を撮っても 通行時の往来妨害の証拠として認められることはほとんどありません。

イタズラ電話にしても、電話そのものが 誰かから かかってくる事を期待している装置なのですから、企業のイタ電でもない限り、民事事件にすることすら難しいのです。

しかも ほとんどの警察署は「各都道府県の管轄」であるのに対し、NTTや第二電電各社は電気通信事業法に基づく「郵政省の管轄」であるため、管轄の違いが 捜査の障壁となっており、誘拐事件のような緊急性を要する事件でなければ、簡単に手が付けられないのです。

ストーキングで 刑事事件化できるのは「脅迫」「傷害」「殺人」が 行われた場合と考えた方がよいでしょう。

※例外的に 電話ストーキングだけで 刑事事件化する方法もありますが、その場合は慎重に行います。別項目「迷惑電話・概論」を参照してください。

 

さて 運よく?「脅迫行為」(○○しなければ××するぞ)がなされ、その録音テープやビデオテープが存在する場合、そこで やっと刑事事件にする事ができるのが普通です。

その場合は 相手が不明であってもかまいません。

警察署には なるべく家族や友人などを連れて、大人数でゆけば 立派に調書が取られ、捜査が始まるでしょう。

そして、ストーカーがみつかり、任意同行がなされれば あなたは満足でしょうか。

それは きっと、あなたが それで 相手が懲りて、もう二度とストーキングがなされないと信じているからでしょう。

しかし、普通のストーカーの場合、その程度で おさまることは まず、ありません。

ストーカーにとっては、自分は正しいことをしていると確信しており(事実 本人の心情としてはそうでしょう)取調室に入ったとしても、ロクな供述をしません。

もとより、事件事実である脅迫行為を行った段階で、供述の仕方を予習しているのがストーカーというものです。

もともと普通の人が 努力してなるのがストーカーなのですから、自分の行動 ひとつひとつに客観的な考え方を持っています。それぐらいの周到さは 当然です。

そして、みなさんは 一人のストーカーを 脅迫 で立件して書類送検するまでに 広辞苑1冊分の取り調べ調書を整え、十数枚の令状を必要とすることをご存知でしょうか。

ですから、刑事も 民事介入暴力のような 組織的な犯罪の手がかりとなるような事件でもない限り、取調室に呼び出して 怒鳴り散らすだけで、そのまま帰してしまいたいのが本音です。

ストーカーも その事はよく理解しており、取調室で「反省したような顔」を するだけで、その供述は あなたにとって不利なことばかりになるのは覚悟しましょう。

しかも、ストーカーにとって 希望した調書にならなかったり、警察官が横柄な対応をした場合、ストーカーは 自分のストーキング対象に その警察官すら含めます。

最初に申し上げたとおり、ストーカーにとっての警察官は「公務員」という定義に入っており、人間には変わりない、むしろ徒党を組まなければ 何もできない人間としか見ていません。つまり 取調室を出るときは 入り口にある席表と名前を見比べ、人物を確認し、警察署の門を出るときには、私用車のナンバーを控え、その足で陸運局に向かい、警察官の住所を突き止めます。

事実、私が担当した ストーキング被害者の中には、現職の刑事も含まれています。

刑事でも 人の子である以上、両親も妻子もいるのです。ストーカーは その事を知っています。

そして、警察官など 法的包囲にストーキングでカタをつけた後は、今度こそ 致命的な報復活動をあなたに対して行うことになります。

何度も申し上げる通り、ストーカーは どんな人でもなる可能性があるのですから、弁護士など 高度な法的知識を備えたストーカーも存在し、そのような人は 合法的に殺人を行うすべも知っていますから、もはや 手の打ちようがありません。

原則的に 警察署という機関は「私は ××に○○をされて困っているから、××を懲らしめてほしい」という事を訴える場所です。

あなたが そういった懲罰を警察に依頼するからには、それ相応の報復準備がストーカーにあることを覚悟してください。

※なお、最近は 長野県警や島根県警に見られるように、昇任等の試験問題に「ストーカー問題に関する設問」を出題する各都道府県警もあり、その積極さに明るさが見られるようになりました。
また、通り魔的要素を持ったストーカーの場合は、迷わず 警察に届出をしなければなりません。このあたりの判断は 非常に難しいところです。

※2.私の経験上、通り魔的要素のストーキング対策においては、所轄の警察署よりも「近所の交番」のほうが、よほど役に立ちます。日本の場合、交番(地域警察)レベルで ストーキングの事実が認知されたほうが、しっかりした報告が上席に上がり、所轄・あるいは専務係が動き始めることが よくあります。

 

(7)自宅に異性の応援を呼んではならない

一人暮らしの女性がストーキングされた時、恐怖により もっとも陥りやすい間違いが、友人を、自宅に招き入れてしまう、ということです。

怖いから 誰か一緒にいてほしい...という気持ちはわかりますが、その友人そのものがストーカーである可能性を否定できませんし、もし そうでなかったとしても、ストーカーが監視していれば、その友人すら ストーキングの対象にされてしまう場合があるのです。

そしてさらに まずいのが、異性の応援を呼び、自宅に招きいれることです。

ストーキング第2段階の「攻撃性ストーキング」に入った段階で、ストーカーは 被害者の様子や反応を見る(想像できる)攻撃を仕掛ける、と申し上げました。

つまり、攻撃性ストーキングが なされている間、ストーカーは 可能な限りターゲットの動向を監視しています。

それは、被害者がヘトヘトに疲れ果ててゆく状況、恐怖におののく状況を期待しての監視です。

そして、ストーカーの期待通り、あなたが 疲れ果て、恐怖と寂しさのあまり 異性の友人を呼んだとしたら...

それが たとえ親戚の人であったとしても、ストーカーにとっては『こんなに やってるのに、まだ 男(女)を連れ込んでる!』という光景にしか見えません。

あなたにとっては ストーカーの希望どおりであるのに、です。

しかし、その光景から 多くのストーカーは その光景を『本来なら ああやって部屋に入るのは私だった』と屈折した考えを持ち、次いで 自分のしていること(ストーキング)に対しての自責の念を正当化するために、より一層の 執念をつのらす事になります。

ストーカーが こういった『洗礼』をくらってしまうと、ここから さらに常軌を逸した心理状態となり、まさに『狂人』の領域に入りますので たいへん危険です。

そもそも 応援を呼ぶという行為のメリットは、被害者の安堵感を わずかに潤す程度のことだけで、それ以外は より一層 危険になりこそすれ、なんら解決につながることはありません。

どうしても 応援を呼びたい場合は、自分の両親など、ストーキングのとばっちりを受けても 納得してくれる人種を選択しましょう。

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