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favicon.ico の使い方

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1999/05/17

はじめに

自分でサーバを立てている管理者だと、最近 エラーログファイルに「favicon.ico」が404で記載されているのに気がついているはずだ。

Windowsプログラマだと「ICO拡張子?アイコンファイルか?」と すぐにピンとくるだろう。
だが、それが何を目的としたものかも・何の役に立つかもわからないし、誰かがスパイダーソフトで特定のファイルをさがしているのかもしれない。
そうイメージしたはずだ。

その正体はIE5のDLLにある

favicon.ico を読んでいるのは、スパイダーやネットツールではない。
「IE5」〜 が その張本人である。

正確には IE5に付随するデスクトップDLLの機能であり、あるサイトで「お気に入り」に追加するとき、ルート(トップ)ディレクトリにある「favicon.ico」を参照して、そのアイコンを 「お気に入り」のアイコン・および そのショートカットアイコンにあてはめているのだ。
たとえば ダイアモンドアプリコットの配下のどこかのページを お気に入りに加えると、オフィシャルキャラクターが表示される。

これは ブラウザが https://www.nda.co.jp/favicon.ico を読みこんだからだ。
favicon.ico が ルートディレクトリに存在しない場合、お気に入りにはが、そのファイルやショートカットにはが、デフォルトで表示されることになっている。
このとき favicon.icoが存在しないことを示す、「404・Not Found」が、管理者のエラーログに記録されるわけだ。

「ソフトウェア」にアイコンが表示されて、「お気に入り」にアイコンが ないのはヘンだからってんで、こういう機能がついたらしい。まあコンテンツもソフトも アクティブデスクトップで操作させたいのが 社の方針だから、当然だな。
マイクロソフトのMSDNのページによると、この機能は「あなたのサイトをBrand にするためのものですよ」と書かれてあるが、ここでのBrand の意味は「種類分けできますよ」と解釈したほうがよい。

 

ページ個別にアイコンを割り当てることはできるのか?

ルートページを管理する権限のない 一般のレンタルサーバ管理者・いわゆるホームページのオーナーでも、自分のホームページのショートカットに オリジナルアイコンをあてはめることは可能である。

自分のページのルートディレクトリ・あるいはそれぞれのページのディレクトリに favicon.ico を入れておけばよい。
先ほどは はしょったが、「お気に入り」に favicon.ico を入れるときのIE5の動作は、「まず現在のディレクトリ」でfavicon.icoの存在を確認し、なければ 階層的に ひとつ上位のディレクトリをさがす...という動作を行っているのだ。

では、同一ディレクトリにあるページでアイコンを 別々にしたいときには?
その場合は 、

<LINK REL="SHORTCUT ICON" href="/foo.ico">

とページにタグを埋めこんで、href の先に アイコンのパスを記述すれば、そのページがお気に入りに入るときは、指定されたアイコンが 表示されるようになる。
LINKタグは メジャーだから、まあ 説明せんでもいいよな。

 

ユーザーが 割り当てられたアイコンを変更できるのか?

サイトやページのオーナーが指定した favicon.ico が気に入らない場合もある。
その場合は アイコンを変更できるのであろうか。

できるのである。
IE4以降になって、「お気に入り」は ショートカットを利用して行われるようになった。
つまり 内部的には Windowsにある「お気に入りフォルダ」の中のショートカットを、ブラウザが開いているわけである。

\WINDOWS\Favorites を開くと、その中に、たくさんの「ショートカット」が入っている。
これらは ブラウザが開いた際、「お気に入り」として表示されるものだ。
ショートカットは アイコンの変更が可能だから、そのまま「プロパティ」→「アイコンの変更」として 好きなアイコンに変えてしまえばいい。

※IE5のベータ版では、「お気に入り」のアイコン画像は変更できるが、アドレス欄のアイコンは そのままというバグが残っている。これは正規版で改訂されるだろう。

 

アイコンを消したい・あるいは さがしたい

Windows の 「スタート→検索→ファイルやフォルダ」を使って、*.ico をさがせば、格納されている場所は一目瞭然である。
コピーをとるもよし・消すもよしだ。

問題は 「お気に入り」に割り当てられたショートカットが いつ・どのように「アイコンが消された結果を反映するか」であるが、これは アクティブデスクトップが絡む「DLLもの」だから、「再起動」するまで 消された結果が反映されない。
ログオフ程度ではダメだ。再起動したほうがよい。
システムを無断で 勝手にいじったのだから、これぐらいの礼儀は当然だ。

 

オリジナルアイコンを作りたい

MS-Studio か VC++ を持っている人なら、標準で VC++ の「新規作成→ファイル」で アイコンを作ることができるだろう。
それ以外の人は こうやってさがしてみてはいかがだろうか。

 

この機能の問題点

この機能によって、サイト管理者・ホームページ管理者は、ログファイルを見ることによって、「いつ・どれだけ・お気に入りにしてもらったか」が わかるようになった。
ここに「誰が」は 入っていない。せいぜい IPかフルドメインが わかる程度である。

ページごとに 異なったアイコンを設定しておけば、どのページを お気に入りにしたかも ログを解析すればわかるだろう。

これを どこぞの「ネット匿名屋」どもは、「匿名性の侵害だ」などと ほざいておるが、これを侵害というなら すでにIPと閲覧ページがバレバレなんだから、いちいち めくじら 立てるものではなかろう...と、あたしゃ思う。
もちろん、お気に入り に入れたとき、WindowsのプロダクトIDとメールアドレスが吐き出されるってんなら問題だけどな。
まったく クジラを食わせないような国民は、なにかと 偏ったエコロジー感覚を武器にして 非常にタチが悪い。
こいつらは 街中歩くときも、回教徒のように 顔にショールを巻いて歩いてるんだろうな きっと。

それは ともかく、この機能はIE5以降に限定されているもので、しかも マイクロソフトとしては この機能を改訂する姿勢を「示唆」しているから、将来的に 絶対に残るというものではないらしい。
でも たぶん続けるだろうな、きっと。

(99/05/17・山崎はるか)


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