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HITACHI FLORA NM1のHDD換装

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もらいものノートを LAN管理用PCに

ある大学のリース落ちで もらってきたノートPC・日立 FLORA NM1.(型番 5NM01-475)

発売当時(1996)は、すごい ハイスペック機種だったんだよね、これ。

まだ うちが パソコンショップもやってた頃で、その当時 たしか50万円ぐらいしたような憶えがある。

にもかかわらず けっこう売れた。
理由は 800×600の11.8インチTFT液晶に加えて、当時としては珍しく「外部CRT端子」 が標準でついており、液晶と外部CRTで 同時表示できたこと。(1024×768)
この おかげで、企業や大学に「プレゼンや講義用」として売り込むことができた。

ほかにも 10BASE-T、IrDA、TypeII PCカードスロット×2など、いまでいう「フルスペック・オールインワンノート」の はしりの PCである。
Windows95が出たばっかりの時代に、この装備ってのは なかなかの冒険だったと思う。

とはいえ、私自身は こんな高級機のオーナーになるほど金持ちじゃなかったので、別に思い入れはない。
今回 せっかくいただいたものだし、いろいろと ジャンクをくっつけて、LAN&ルータ管理用PCに仕上げることにした。

-

なお、私は PCに限らず 機械類をバラすときは、その局面ごとに デジカメで撮影することにしている。
(組立てのとき、手順がわからなくなっても あわてなくてすむ)

なので、画像タップリ。

特にHDDの換装については、手順にちょっとしたコツがあるので、具体的なメモにしておく。

 

1.ジャンクを寄せ集め

材料

増設メモリ EDO16MB 標準が16MBなのでさらに増設
ネットオークションで\500で購入
MC288LAN
(モデム+10BASE-Tコンボカード)
内蔵LANカードに相当にクセがあるので保険。
ネットオークションで\1,000で購入
M2724TAM
換装用 1.7GB HDD
内蔵が720MBなので乗せ換え
ネットオークションで \2,000

なお FLORA-NM1用バッテリー(PC-AB4700)は、寿命を迎えており廃棄。PCの用途的に不用なので あらたに購入はせず。

2.分解&取り付け
増設メモリー保護パネルを外す。

(私はこの段階でメモリを増設)
 
POINT

じつは、ここに HDDの留めネジ×4があるのだ。
HDDを換装するなら、あらかじめ ここで はずしておかねばならん。

こいつぁ トラップだったぜ。

背面の固定ネジをすべてはずし、液晶パネル側から取り外す。

キーボードを外す。


POINT

キーボードのフィルム配線が2本でてるので、マザーボード側のソケットを引き上げて緩め、慎重にはずす。

※フィルム配線をはずすのが 怖い場合は、下の写真のように 立てかけておく

HDDが露出するので、取り外す。
古いHDDから ステンレス箔テープをはがし、あたらしいHDDに貼り付けてから、組み付ける。

なお スペーサーが劣化してボロボロの場合は、写真のように、絶縁体(たとえばプラスチック)を加工してスペーサーの代わりにする
POINT

HDDのネジ留めの際、ついでにリチウム電池も新品に交換しておくと理想的。

組みあがり後、BIOS Setup を起動し、プラグアンドプレイをNoにしておく。

(この当時のPCは、この方が なにかとトラブルが少ない・・・という私の経験則から)
3.OSのインストール

いろいろと OSをインストールしてみたが、次のような結果であった。

Windows95 問題なし
Windows98 内蔵LAN不安定
Windows98SE × インストール停止
WindowsNT ×
Debian(P) ×
FreeBSD4.8 内蔵LAN認識せず

特殊なLANチップなので 当然か。
がんばれば なんとかなるかもしれないけど、何日もかかりそうなので、やんない。

そういう わけなので、Windows98 を入れて LANについては、\1,000で買ったPCカードを使ってセットアップ。

無事 起動して、Bフレッツ環境下のLAN&ルータ管理に使用。(あ、あとSyslogとか)

OSにもハードウェアにも 余計なものが一切入ってないので、起動と終了が めっちゃくちゃ速い!
おでかけ前の 天気の確認や、ホテル・航空機の予約とかは これでやってるぐらいだ。

 

古いものでも大事にしなくちゃね

NEC AtermIC65(カードタイプのINS64用TA)を差し込んで、DAブラックホールをインストールしたら、ちゃんと動いた。
たしかに 理論上は Win95+i486でも動くので、Win98上のPentium128Mhzで動くのは当然なんだけど、作者としては やっぱり うれしかったな。(けなげに動いてくれて)

あと、IrDAもしっかり認識しているので、ICカード公衆電話とも接続は可能なはずだ。
(バッテリーが切れてるので 確認できなかったけど)

さすがに、最新アプリケーションを動かすのはつらいけど、90年代のソフトウェアなら充分に動いてくれる。(もちろん 実用的に)

これって とても大切なことで、「コンピューターは どのように動いているか」「何が負担なのか」を 正しく実感できたのは このあたりのPCまでじゃないか・・・と思うんだな。
これを知り、正しく実感した人が、いま業界の先端にいるわけで・・・

「PCを使える人」と「PCを理解している人」の差は たぶん このあたりにあるんじゃないかと思う。

関連ページ

今回の FLORA NM1 レストア企画で、参考・勉強させていただいたページは次のとおり。

本体関連
日立 FLORA NM1 ※オフィシャルサイト
FLORA機種別形名対応一覧表 同じくオフィシャルですが、共通パーツを探すのに便利でした
Windows 98制限事項 Windows98用のBIOSとドライバがあります
◇うさらネット◇

Flora NM1奮戦顛末
CDドライブなしで、NM1にWindows95/98をインストールしちゃった強者さんです。
しかも内蔵LANもしっかり動かされておられるようです。
HDD関連
標準HDDのプレスリリース IBMの当時のプレスリリースです
 標準HDDのジャンパ図 DBOA-2720のジャンパ解説
換装したHDD製品情報 M272xシリーズ カタログ
換装したHDDのジャンパ図 MHEシリーズ用ですが共通です

(2004/02/04・山崎はるか)


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