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新電元(Shindengen)製

KS501/KS701のKCl電極の共用

特に問題なく使用が可能

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2007/11/28


ISFET pH計 KS501とKS701

新電元製の ISFET pH計 KS501とKS701なんだが。
外見はほとんど 同じなんだけど、KCl電極の形状が異なる。

ISFET pH計用のKCl(塩化カリウム)側電極は、原理上 ちょっとずつ中味が減ってゆく構造になっているため、寿命がある。このKCl電極が欠品すれば、そのpH計は もう役に立たない。

 

画像.上がKS501(pH BOY) 下がKS701 および それぞれのKCl側電極形状

サポート終了品 KS501なんだが

KS501とKS701のそれぞれのメス端子形状
KS501とKS701・それぞれのメス端子側 形状
見た目は おなじ

KS501にKS701のKClゲート電極をさしてみた
KS501にKS701用のKClゲート電極をさしてみた

ちゃんと校正もできて、水道水計測も許容範囲ないのpH低下
ちゃんと校正もできた。
水道水によるpH低下テストも許容範囲内
新電元 KS501(pH BOY)は、製造終了から5年以上経過し、サポート終了品になっているため、KClゲート電極は欠品である。

でもねー

たしかに KClゲート電極の形状は異なるけど、本体側のメス端子側の形状は KS501も701も 見た目に 同じなんだよ。 (奥の接点にいたるまで)

物理形状は合っているので、KS501に701用を挿してみたところ ばっちり はまった。
ソース-ドレインセンサーの距離も、両方とも 3mmで共通。

そこで、6.9校正液で校正して、水道水でのpH低下を測定したところ、pH低下は 0.1以内であり、使用に適することがわかった。

つまり KS701用の KCl電極は、KS501に そのまま使用できると思われる。


ISFET とは ion-sensitive field effect transistor (イオン感応性電界効果トランジスタ)のことで、FETの一種である。

もともとの原理は MOSFET(Metal Oxide Semiconductor FET)で、このMOSFETの金属酸化膜を イオン感応膜に置き換えて、間に試料を挟みこみ、その電位差をADコンバータでデジタル表示しているのが「デジタルpH計」である。
・・・たぶん。ひょっとしたら、じつは もっとすごいノウハウがあるのかもしんないけど。


 いずれにせよ。ISFETの簡易スティックタイプpH計は 安くて持ち運びが便利だが、温度補正まではしてくれない。そのぶん、構造も単純で、ややっこしいところはないはずだ。

だから、今回のように 口金サイズさえ 合ってしまえば、そのまま 使っちゃっても 大きな問題は ないんじゃない・・・ってことなんじゃないかな。



KS501/701のKCl電極の購入方法

新電元さんは、スティックタイプpH計からの撤退・製造中止を宣言している。
KS501用電極CH001・およびKS701用電極CH701は、新電元さんからはもう提供されていない。

現在、KS701消耗品の製造:販売を行ってくれてるのは

アイエスフエトコム - R2K712比較電極 (KS701の後継機とその交換用電極。)

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ま、こういう「使えそうで・使えるのか?」みたいな メタ情報は重要なので、メモとして ここに置いておく。

(2007/11/28 山崎はるか)
2008/11/27 電極販売情報を修正
2010/11/10 電極販売情報を修正



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