mixiの退潮傾向に想う事(序文)

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mixiの退潮傾向に想う事 - 序文

 いろいろ意見はあるだろうけど、mixiが プレミアムなどのユーザー課金に頼ることなく、ここまでがんばってきたことは、事実だからね。たいしたものだと思うよ。

 IR情報によれば 2010年度の売上高は約132億円、経常利益は約30億円。
無料のサービスを 腹にかかえて、これだけの利益をたたき出したことは、純粋に たたえられてしかるべきだと思う。

 とはいえども。
mixiは いま 退潮傾向にある…と、僕も思う。

 僕の感覚的なものだけでなくて、物理的な値からもそう思う。

 感覚的なものは、僕の周囲のアーリーアダプター(あたらしもの好き)とアーリーマジョリティ(流行に乗りたがる人)が、共に 日記やニュース等のコンテンツに反応しなくなったことである。
 つまり、マーケティング的には、すでに市場の半分が、mixiから降りているように僕には見えている。
 僕のmixi ID は 3399 なので、2000万人中の順位は 最初の0.016%に属し、立ち位置はイノベーター(直感的採用者)なので、周囲の降りっぷりを観測するには、よいポジションである。
とはいえ、これも「僕の周囲では」という、かなり感覚的で狭いスケールの話である。


 では物理的な証拠はなにかというと。
じつは僕が作って提供している、2つのソフトが示す記録だ。


・サンシャイン牧場・渋滞情報 (mixiアプリ)
http://mixi.jp/run_appli.pl?id=9744
↑これの動作ログが、mixiのトラフィックを 2009年からずっと監視している。
 このアプリはサンシャイン牧場の混雑具合を表示するものであるが、
そのアプリの背後では、mixiアプリがユーザー認証をもらってセッションを張る際の応答速度・経路を、たえず記録している。
これの「平常時の値」が、2000万人ユーザー!というわりには、1000万人!と言っていた当時からそれほど増えていない。

「アプリの利用者が増えていない、というだけでは?」とも思ったが、別のソフトの実績で mixiのネット経路上のAS群(autonomous system)のシルエットが少しずつ判明し、「そもそも トラフィックが増えてないのでは?」という疑問に到達した。


・撤退!mixi (Windowsで動く mixi日記・メッセージのバックアップツール)
http://www.nda.co.jp/memo/tmixi/
これが、その「別のソフト」である。
2011年9月現在、ユーザー数8,450人(ユニーク人数)のフリーソフトなのだけど、無作為に選んだユーザーに、直接ひとりひとり個別の承諾をもらって、mixiへの経路情報・応答しているサーバーの情報を自動送信してもらっている。
※承諾のない人のデータは送信されていない。

 この機能により、ユーザーによってmixiの異なるサーバー・異なる経路が一定の規則に基づいて構成されていることがわかった。

そして、これらのデータと 撤退!mixiコミュニティ( http://mixi.jp/view_community.pl?id=4317248 )への動作情報をもとに浮かび上がってきたのは、
たとえば
・mixiのシステムは 非常に複雑に接続されていて、よく誤動作を起こし、特にアクセスコントロールまわりに恒常的な不具合をかかえている
例)特定ユーザーのフォトアルバムは、自身のアルバムを普通に閲覧していても、不正なアクセスとして判定されることがある。
といった、mixiというネットワークのシルエット的なものも多い。


 それらはなお追跡中の値もあるので 具体的な数値については言及をひかえる。が、断片的/状況証拠的な値も、量がそろうにしたがって演繹的情報となり、一定の価値が生じるようになった。
 僕はそこから勘案して、
「mixiのユーザーは ざっくり500万人ぐらいなんじゃないか」
そして
「その数は この2年ぐらい、変わってないんじゃないか」
「むしろ レイトマジョリティ群(しかたなくやってる人たち)にシフトしきっているんじゃないか 」
という印象を 持つようになった。

これが mixiが いま 退潮傾向にある、と僕が思うようになった背景である。

(本編に続く)


2011/11/25・山崎はるか
(原典・2011/9/28)

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