DAブラックホール - 法規

Jurisprudence and Legal system information
DA BlackHole

Prev NEXT

有線電気通信法 第13条2

ワン切りに対する罰則

参照:有線電気通信法


有線電気通信法 第13条2
営利を目的とする事業を営む者が、当該事業に関し、通話(音響又は影像を送り又は受けることをいう。以下この条において同じ。)を行うことを目的とせずに多数の相手方に電話をかけて符号のみを受信させることを目的として、他人が設置した有線電気通信設備の使用を開始した後通話を行わずに直ちに当該有線電気通信設備の使用を終了する動作を自動的に連続して行う機能を有する電気通信を行う装置を用いて、当該機能により符号を送信したときは、一年以下の懲役又は百万円以下の罰金に処する。

概 要

いわゆる「ワン切り行為」に対する罰則項目です。平成14年12月4日に衆院本会議において全会一致で可決しました。

 この法(罰則)が適用されるのは、
(1)営利事業者が、
(2)ワン切りをする目的を有して、
(3)ワン切り機能を有する装置を用いて、
(4)実際に符号を送信すること
の(1)〜(4)が すべてがそろっている場合に限るとされています。(2002/11/21衆院・総務委員会・総務省政府参考人答弁)

よって どれかひとつでも該当しなければ、この法律には触れません。
たとえば、「デパートなどが自分の顧客の名簿の電話番号が生きているかどうかを確認するために、連続して電話をかけるのはワン切り法案の対象にはならない」(同参考人答弁)とされています。

これは、ワン切りの目的が「相手に着信表示してかけさせること」に集中しているものであり、デパートや保険会社が行う 電話の生死確認(ナンバークリーニング事業)は、
「相手にコールバックさせることが目的でない」(着信履歴を残さなくていい)
ため同法案の主旨からはずれるというわけです。

こららの点からも、この罰則は 「ワン切り」を狙い打ちにしたものです。
「審議されはじめた当時」においては注目を集めていましたが、いざ決定したときには、すでに ワン切りは ほとんど行われておらず、多少の むなしさがありました。もちろん予防法という意味では意義のある法律です。
一方でCTI(コンピューターテレフォニー)設計者や交換機設計者にとっては、その実現の技術的難易度により「頭痛のタネ」になっており、消費者の負担も少なくなく 、予防法にしては 弊害が目立つという声もあります。

 

関 係

DAブラックホールは、通常の使用においては、この法律で言うところの「ワン切り機能を有する装置」には該当していません。

各用語の解釈ですが、2002/11/21衆院総務委員会、2002/12/03参院総務委員会の政府答弁を総合すると
1)「符号」→電話番号のこと ※将来的にはメールアドレスも含めたいらしい
2)「装置」→連続したダイヤルを行う回線端末全般(ハードウェア)のこと
3)「ワン切り」→不完了呼の一種

なお参院総務委員会において一部答弁で 総務副大臣が「ソフトを用いた架空電話への発信を禁止すること」という発言をしていますが、これは「迷惑メール対策法」の改正でワン切りを規制できないものかという問いに対する答弁であり、またこの答弁は政府参考人が「ワン切りは異なる」と言葉を足していますので、「架空電話(カラ番号)への発信」を一律に規制したものではありません。

しかも この罰則は、ワン切りをターゲットにしたものであり 「符号」(電話番号)を→相手方端末(携帯電話など)に受信させたときに構成要件のひとつが成立します。

DAブラックホールは、一部の例外を除いて「符号」(電話番号)を相手方に送出しません。DAブラックホールは回答生成源を、交換機から得ているためです。(収容交換局・網交換機・相手収容交換機)
また 万が一にも、相手方に符号が到達してしまった場合、それは「つながった(課金・完了呼)」ということなので、ワン切りではなく「ワンつながったまま」になります。

DAブラックホールの基本動作

つまり DAブラックホールは 結果として「不完了呼」を多く生成する装置ですが、相手方端末に符号を送ることは目的としていないソフトウェアです。
また発呼動作が不完了呼になるとは限らないので、本罰則でいうところの「通話を行わずに直ちに当該有線電気通信設備の使用を終了する動作を自動的に連続して行う機能を有する電気通信を行う装置」には該当しないことになります。

 

実務注意点

DAブラックホールは、こちら側の端末情報を「データ端末(特殊端末)」に設定することで、交換機段階で「接続を断らせ」、その断った理由(キーパッド情報)から、生死確認や転居・引越情報を得ます。

しかし、これには例外があって、相手方が「データ端末(特殊端末)」であった場合は、こちらと同じなので「つながってしまいます」。
つまりワン切りではありませんが、そのままだと 相手方に「符号」を到達させます。
※つながってるので これは これで ワン「切り」にはなりません。
そこで
(1)解析では 基本的に「184」を冒頭につけてください。
無用の誤解を招かないように気をつけましょう。


また 相手方がデータ接続対応PHSだった場合、端末画面に「電話番号(符号)」が表示されます。データ着信の場合 音が鳴らない機種が大半なので 普通は気がつかれませんが、後から履歴を見たときに誤解される可能性があります。
しかも PHSの先のデータ端末(パソコン等)が存在しない場合は、接続されないまま延々呼び出してしまうことがあります。(デフォルトでは30秒間呼び出し)
表示に気がついても 相手は出ることができませんので けっこう迷惑なこともあります。
(2)PHSに対する広範囲の探索はしないこと。どうしてもしなければならないときは「184」を冒頭につけてください。
相手を驚かせることのないよう気をつけましょう、


それと 最近は少なくなりましたが、ISDN番号帯(局番レベル)を探索するときは、ほぼすべての番号に着信してしまいます。
着信して、課金されているのに「法律上のワン切り」とまちがわれると問題です。
あらかじめISDN帯と判っている場合は、経済的にも
(3)Dチャネルモード(通称パケットモード)などを使って、「完了呼」にしてください。(課金されますがパケット料金となり小額です)

これらは 「解析事故情報」などで、ずいぶん前から述べられてきたことですが、法律もできたことですので、これを機会に、周辺環境をみなおしてみるのがよいでしょう。



背景

キャリアサイドとしては  すべての「不完了呼」に 課金したかったようです。
会議に上がる前の研究会議事録には その熱意が記録されています。
しかし反発の声が相次ぎ、ワン切り「業者」だけの課金で、落ち着いたようです。
最終報告書はこのようになりました。
総務省法案と各総務委員会の答弁は この最終報告が強く基本となりました。


Prev HOME
UP
NEXT

Network Diamond Apricot - DA BlackHole HELP

■マニュアル目次