AOpen ブック型ベアボーンPC
ブック型PCというジャンルが、一般にも認知されはじめた2003年。
当時、この
AOpen SnowKidsは 156mm(高)×61mm(幅)×205mm(奥行) という 優れた超小型っぷりだった。
Socket478だが、マザーボードは正体不明。(仕様は MicroATXのMX46-533GNに近い)
性能諸元についても、箱にはHDD容量最大60GBと書かれているが、Webでは80GBと記載されていたり。
電源はACアダプタ。
当時でも、まだキワモノに近い空気が強く、こういう説明でも理解されるだけのコンセンサスがあったというわけだね。
ただ、それを含んでも、このサイズで、
CPU:Pentium4/Celeron 3.06GHz(FSB533MHz)※HT対応
チップセット:SiS 651+SiS 962
メモリ:PC2700(DDR333)×2 ※最大2GB
光学ドライブ:ノート用スリムドライブベイ×1
ストレージ:2.5インチシャドウベイ×1
VGA、IEEE1394×3、USB2.0×4、ドルビーデジタル、IrDA、NTSC、S端子、
といった
『全部入り』
は魅力だった。
いや当時のみならず、いまでも きちっと整備すれば 一線で使える。
今回は償却期を迎えて、その整備用の覚え書を、置くことにした。
あけてみないとわからないことがけっこうあるし。
マザーボードの内蔵電池は、ボタン電池ソケットになっており、交換可能。
リチウム電池で CR2032
ピンセットで止め具をはずすとバネで上がる。
精密マイナスドライバで反対側の切り欠きをこじっても上がるが、ムリはしないほうがいい。
新品の組み付けは、止め具側から挿し込む。
通気ライン下にあるため、サビやすい場所なので、組み付け作業は、なるべく手袋か軍手をして、電池表面に皮脂が残らないようにしたい。(あくまで努力義務的に)
HDDはIDE(U-ATA66/100/133)2.5インチ。厚さは9.5/12.5mm両対応っぽい。
箱には最大60GBと記載されているが、AOpenのWebでは最大80GBと記載されている。
この上限が、どういう根拠に基づくかはわからない。
筆者は いまのところ60GBをつけている。
上限が事実なら、SSDにしたいところではある。
なお、ブートドライブは、USB-FDD、USB-HDD に対応している。
なので、推測だが
USBメモリによるブートも可能だと思う。
メモリはDDR333/266/200 つまり PC2700/2100/1600 に対応している。
最大2GB。
筆者はDDR400(PC3200)を載せているが・・・それを検出して速くなってくれたかどうかは、BIOSのサマリーを見てもわからない。
光学ドライブは、ノートPC用のスリムドライブ(ATAPI)。
ATAPIのスリムドライブの新品は将来的に入手が難しくなりそう。ジャンクノートから取り出すのが早いかもだけど、その場合はベゼルを上手に交換する必要も。
ネットで見ると、どうやら SnowKidsの主な故障原因は「ACアダプタ」のようだ。
PCの電源に用いられる電解コンデンサは充電池と同じ有限寿命部品。使っていれば、必ず寿命がくる。
特にSnowKidsは定格出力いっぱいに使うことが多いのか、うちも、ACアダプタからおしゃかになった。
標準ACアダプタは、2つあるゴム足を抜くと、そこにネジがあって、その2本で止められていることがわかる。
これをはずせば、両サイドの中央・切り欠きを相互に押すことで外すことができる。
SnowKidsのDc-inは4pinなので、中はどうなってるかと思ったが・・・あけてみれば、4pinとも +19V でまとまっている。
また別途実験したところ、SnowKidsのDc-inのレギュレーターは10Vあたりから反応し、けっこう余裕がある。
つまり 19V±1V程度の6A以上の電源なら、使用できると思われる。
ただ、そこまでしなくても、LITEON PA-1121-02 が手に入れば、4pinの端子
・電圧19V・出力(電流6.3A)まるごと おなじなので、そのまま流用できると思う。(筆者は問題なく使ってる)
このACアダプタは、東芝の省スペースPC EQUIUM S5040/S5050/S5060に用いられている。
注意したいのは、PA-1121-02H(プラグ形状が違う)を、PA-1121-02 として売っている場合がある。
オークションなどを利用する場合は、プラグ形状と電圧・出力をよく確認したい。
(2010/02/14・山崎はるか)
加筆:なし