「ドリンクタイプ」からのR-1ヨーグルト密造

明治ヨーグルトR-1ドリンクタイプからハードタイプ(プレーンヨーグルト)をつくるレシピ

△メモエリアにもどる

このエントリーをはてなブックマークに追加
Yahoo! bookmark
Check

明治ヨーグルトR-1・ドリンクタイプからヨーグルトを作る

 乳酸菌R-1ヨーグルトの密造では、「明治ヨーグルトR-1・ハードタイプ」から、ヨーグルト製造を行った。
 じつは、この日は朝から困っていた。
 手元に「明治ヨーグルトR-1・ドリンクタイプ」しか調達できていなかったからである。さいわい近所のコンビニで、ハードタイプが2個売れ残っていたという幸運により、結果として予定通り検証できたんだけどね。
 だが、そのときの教訓で、
「ドリンクタイプしか手元にない場合の、ジェネリックの作り方」
も、いつか確かめておかなければならないと痛感した。

 ドリンクタイプからR-1ヨーグルトを起こすには、ふたつの考え方がある。
ドリンクから
1.ドリンクタイプを作る(ドリンクのジェネリック)
2.ハードタイプを作る(固形ヨーグルト)

 今回は、予備実験を兼ねて、後者(2)の固形ヨーグルトの製造を行うことにする。
明治ヨーグルトR-1・ドリンクタイプ

明治ヨーグルトR-1・ドリンクタイプ

ハードタイプとは

 現在(2012年)販売中の「明治ヨーグルトR-1・ハードタイプ」。

 じつは、それ以前に「ソフトタイプ」が存在した。
 販売エリアは、東北地区と関東甲信越地区だった。いや、いまでも地域によって存在しているかもしれないけど、もう首都圏では見かけない。

 当時の明治ヨーグルトR-1・ソフトタイプは無脂乳固形分10.2%・乳脂肪分0.3%で、現行のハードタイプ(無脂乳固形分9.2%・乳脂肪分3.0%)より乳脂肪分がカットされていた。それを補うように加工デンプンや増粘多糖類を含めくちあたりを調整していた。
 すなわち、
成分を調整したのがR-1ソフトタイプで、
砂糖以外ほぼ無添加で生産しているのがR-1ハードタイプということになる。

 私の個人的印象にすぎないかもしれないが、この明治のタイプ分けにはちょっと違和感がある。
 発酵乳製品(ヨーグルト)では、寒天やゼラチンなどでかっつり固めたものを「ハードタイプ」(ヤクルトソフールなど)と呼ぶのが一般的と受け止めていたからだ。
 すなわち、
・ハードタイプ…寒天やゼラチンで固める
・プレーン…混ぜ物なし
・ソフトタイプ…増粘剤でとろりとさせる
・ドリンクタイプ…低脂肪で果糖や液糖を加える
ということだ。
 明治ヨーグルトR-1・ハードタイプは、明らかに「プレーン」にカテゴライズしていいはずだが、そうしてしまうとなんだか効果が薄いような印象を持たれてしまうからだろうか。なぜか「ハードタイプ」を主張している。

 そういうわけで、どう考えてもプレーンヨーグルトなんだけど、本家がそう言ってるので、本記事では「ハードタイプ」と呼ぶことにする。

明治ヨーグルトR-1・ソフトタイプのいま?
かつてのソフトタイプは、現在の「R-1ブルーベリー脂肪0」にレシピが受け継がれている。


検証(密造)してみる

注意 この記事は、市販のヨーグルトを種菌に用いて家庭でヨーグルト製造を行う方法を説明しています。製造食器の消毒・ケガをした指で製造をしないなど、食品加工における基本的な注意点は多岐にわたりますが、本記事ですべてを解説することはできません。また発酵食品の多くは複数の菌種と環境バランスが作用するため、種となったメーカーの製品とは異なる発酵物(環境によっては腐敗物)ができあがるおそれがあります。実施においては、食品衛生上のリスクが伴うことをご承知願います。筆者はこの記事に起因するいかなる責任も負いません。実施はすべて自己責任でおこなってください。


 1073R-1乳酸菌の特性は、乳酸菌R-1ヨーグルトの密造で、製造に必要なことはだいたいわかってきた。
 発酵温度が 43℃ で8~12時間の発酵時間。
 この、ちょい高めな発酵温度を実現するには、もう、あのお方・・・いや、もう説明はいいよね。
ヨーグルトメーカー最強ブランド・ タニカ ・ヨーグルティア
今回もこれを使う。
タニカ・ヨーグルティア
説明不要
どこまでヨーグルティアに、はまってんだよと思われちゃいそうだけど、R-1についてはこの製品しか人にすすめられないよね。

手順

入念に手を洗う
入念に手を洗う。※重要

薬用ハンドソープを使って、消毒・殺菌するとなおよい。
器具と材料をそろえる
器具と材料をそろえる。

そろえるもの

自家製R-1ヨーグルト・1kg(1000ml)分の材料/器具

材料

  • 牛乳 : 成分無調整乳 1リットル (「明治・おいしい牛乳」をつかうのが、礼儀である)
  • ヨーグルト種:明治ヨーグルトR-1(ドリンクタイプ) 半量
  • 砂糖: 30g (おおさじ3杯ちょっと)

器具

発酵温度

  • 43℃
  • 12時間 (加糖しない場合は8~10時間)
成分無調整乳
脂肪分のおかげで、ぷるん!と固まる側面があるので、脂肪分の入った成分無調整乳を使う。
容器とスプーンを、電子レンジにかけて殺菌。
容器とスプーンを、電子レンジにかけて殺菌。
容器に砂糖(30g)を入れる。
容器に砂糖(30g)を入れる。
白糖・三温糖など
砂糖は乳酸菌の栄養として加えるもの。白糖・三温糖がよくグラニュー糖でもよい。
人工甘味料は乳酸菌の栄養にならないと思われる。(味の調整には便利)。黒砂糖は不可。
牛乳を、火にかけて、ごく軽く沸騰させる。
牛乳を、火にかけて、ごく軽く沸騰させる。
砂糖を入れた容器に、熱した牛乳をそそぐ
砂糖を入れた容器に、加熱した牛乳をそそぎ、砂糖を溶かすことで、砂糖を熱で消毒する
その後40℃未満(ひと肌)まで冷ます。
R-1ドリンクタイプをよく振る。
R-1ドリンクタイプをよく振る。
冷めたら、種菌(明治ヨーグルトR-1)を、半量入れてよくかきまぜる。
種菌として容器に半量入れてよくかきまぜる。
種菌の量
新鮮であれば、おおさじ1~2杯でよい。
発酵温度を43℃に設定し、容器をセッティングする。
発酵温度を43℃に設定し、容器をセッティングする。
発酵時間は12時間とする。
発酵時間は12時間とする。

8時間後

凝固がはじまり、透明な乳清が見える。
凝固して、透明な乳清も見える。
発酵時間
43℃で8時間も発酵すれば充分に固まり、食べられる。
43℃は乳酸菌vs雑菌で、乳酸菌に有利であり、かつ短時間で仕上げるのに向く。

12時間後

冷蔵庫に12時間・静置する
冷蔵庫に12時間・静置する

冷蔵庫で静置して12時間後

冷蔵庫で静置して12時間後・完成
完成。

ドリンクタイプからでもヨーグルトになる

 今回は、ドリンクタイプからでも ハードタイプと同じ作り方でヨーグルトができることがわかった。
 見た目には発酵6時間で固形化しはじめ、8時間ぐらいで固形ヨーグルトになっていた。ハードタイプを種にしたときよりは、若干早い印象がある。
 冷温静置12時間ということも考えると、加糖しても8~10時間の発酵でいいんじゃないかと思う。
明治ヨーグルトR-1から作ったヨーグルト
 

2012/2/10・山崎はるか

※「明治ヨーグルトR-1」は株式会社明治の商品です。


関連記事

乳酸菌R-1ヨーグルトの密造
乳酸菌R-1ヨーグルトの密造
植物性乳酸菌ラブレの密造
植物性乳酸菌ラブレの密造

(C)DIAMOND APRICOT TELECOMMUNICATIONS LABORATORY / since 1995
ホーム | お問い合せ